ブログ:Update イノベーション・ドライバーズ
新興系企業によるDX化テーマ割り出し 2022.6.22
新興・大学発ベンチャー、技術系中堅企業 (Emerging Companies) 向け
(製品サービス開発、技術営業・コンサルティング部門、戦略提携、国際部門等)
前回ブログの「製品事業企画・コンセプト形成」も受けて、SBFでは「マンスリー・コンパクト」として、大手系企業向けと並んで、新興系企業向けに、以下のような月次サポートを行っています。
製品サービスDX化向け取り組みテーマの継続的割り出し
まずは、自社ポジションの確認から・・
御社主力製品サービスについて、現状そして目指している姿が、DX視点でみて、どんな項目・位置取りにあるか、なりうるかの確認を行います。大手系メーカー企業と比べれば、新興・大学発ベンチャー、技術系中堅企業の場合、<IT製品サービス・事業ポジション>が企業の在り様全体という場合は多いでしょう。そこも含めて、取り組みテーマ領域項目から選択します。
具体的テーマの割り出し
御社と業種・業態の近い世界の代表的企業、他の勃興中新興系企業等の展開、さらに一部業界トレンド情報なども踏まえて、更なる製品サービスDX化として御社に相応しい具体的取り組み切り口を、プロダクツ領域ごとに月次で割り出し報告して行きます。
例えば、プラットフォーム型モデル展開などは法人向け、その前に個人向け(PtoP・コンシュマー市場向け)の成長は著しく、競合分析の一環として、御社の現状展開との共通点、そして違いを系統立てて整理する。それによって今後、御社製品サービスの輝きを増すための具体的取り組みテーマの割り出しを継続的に行います。 大手企業との合従連衡事例から学ぶのは大切です。どんな点が大手を引き付け、如何なるモデルでシナジー形成しているかです。
ねらいは、持続的な成長モデル構築
なお日本の特に、いわゆるハイテク技術系中堅企業は、そもそも顧客向け価値形成の源泉はデジタル型ではないのが普通であり、それが強みです。ここでの作業は、そこにDX型のデジタル価値積み上げも図るという趣旨になります。それによって、製品サービス、事業モデル全体の特に拡張性を増すのが狙いです。
同じく個々の顧客ニーズを満たすのにも、「相対(あいたい)型のフルカスタマイズ対応」ではなく、例えばソリューションソフトウェアのような「顧客側自身による展開を促すツール提供」をしていくというのは大きなトレンドです。この両者の間には、結構な発想の違いと具体的な技術・事業モデルの開きがあります。少なくとも、開発視点、シーズ視点ではそうです。しかし、この乖離を埋めて、後者の展開拡張性あるツール提供に結び付けていく方法が二つあります。
一つはやはりお客様から教えて頂く、手がかりを得ること。具体的な製品サービスモデルまでは行かなくとも、つまりは顧客ニーズとしてです。ただ顧客は、きれいにニーズを整理できていない、ないし話す場合は他社にも同じ内容を語っている可能性が大きい、そもそも現状を超える発想レベルは顧客ヒアリングからは中々得られないか。そして結局、カスタマイズ個別開発型に行き着くか。
そこでもう一つ、上記した、新興系企業としての競合分析(Competitive analysis)です。例えば、代表的大手企業との連携をはじめから想定した製品サービス、事業モデル設計です。つまり大手系企業(社会のより大きなニーズを引き受けようとしている存在)のプロダクツ高度化を促す、ないしは結果的にそうなるような「汎用系」のソリューションプロダクツ。実はシリコンバレー企業というのは、地元に事細かくプロダクツスペックをすり合わせる大手企業が多くないことも相まって、産業構造的にも汎用ものしか考えていない面が大きいです。単に個別の技術レベルや性能・機能ではない、DX、つまりデジタル視点での競争力形成向けのプロダクツポジション取り、それによる持続的な成長モデルの構築を常に狙っています、無意識のうちに。