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CVC、M&AのDX的アプローチ 2021.12.29                       

 

 CVC(企業内VC)とM&A(合併買収)とでは、一般的に言われている投資目的から、一見、資金性格が結構違って映ります。確かに、CVCは、トレンディーかつ有望とみられる分野企業への投資であり、マイナー投資(相手先の資金調達をリードするメジャー投資家ではない)主体に、試行的な投資も含めて、まずは情報収集そして将来に向けた関係作りへの下地つくりが目的です。一社への投資金額を抑えながら、自社にとってのフロンティア領域への先駆け的投資という側面が強い。今のような、技術・ビジネストレンド推移が目まぐるしい時代に、IoT、AIは勿論、「プラットフォーム」でも、「エッジ」展開でも、「ソリューション」でも、確かにまずはほんとに自社に引き付けて渦中で動いてみる、そのための資本関係つくりと考えれば、M&A以上に機動的な先兵部隊として、CVCは確かに有効と言えましょう。だからこそ、投資ターゲット領域の事前の見極めと、投資後の連携事業推進は極めて大切です。投資育成的な意味合いも帯びたVCと違って、CVCの場合の投資後展開は、あくまで自社の成長発展のため、そことのシナジーありきです。

   他方、一社向けの投資金額も張るM&Aでは、始めからより直接的に業績につながる投資が主体です。そして実際、ブランド力を伴った世界のリーディング企業の場合、売り上げ成長自体を、先進領域企業のM&Aでけん引する手法が主流になりつつあります。元々、そのような手法も定着していて好業績傾向にある企業が、いまなら特に、DX的な先進新興企業を丁寧に買い増しすることで、その相手企業がもつ顧客・市場、そして先進企業を取り込んだというアナウンスメント効果も相まってさらに業績を伸ばす。そういう好循環です。前回ブログで書いた「持続的な好業績・高成長体質つくり」につながる企業投資も、基本的にM&A事例の分析を踏まえています。

   なお、そのような好循環型はよほどのブランド力、資金力が買収企業側にないと難しいかと言えば、必ずしもそうではなく、相手企業は、具体的な問題意識、各論の議論・中身を求める。そこではまずもって、こちら側の立ち位置、従って相手先への立ち位置期待を正確に伝えることが何より肝要です。事前のシナジー形成シナリオ準備作業が大切な所以です。(注)

 以下で、投資先へ求めるべき項目を再度点検します。その際、一部投資であるCVCと丸ごと買取であるM&A、つまり投資手法の違いは少し置いて、ともに戦略的な企業投資として常識的な側面、期待も込めてまず一括して考えます。以下の3つです。

①  事業展開・プロダクツの競争力ある企業

②  自社とシナジー形成が出来る企業

③  技術・ビジネストレンドに乗っている企業

 これらの内、③は投資判断上実に大切な要素ですが、定性的な要素も絡み、セミマクロ的な背景とも言えます。むしろ前提条件と位置つけるのがいいでしょう。敢えて、ここで顧客データ価値積み上げ型のDX化ツール(つまりDX化インデクス)を駆使して候補先を様々な観点から洗出す作業の対象になりうるのは①と②です。まず②ですが、こちら側そして相手側の各々プロダクツの事業モデル型、DX的立ち位置を、より客観的で共通した表記で示せたら、シナジー形成先候補は、格段に効率よく割出せます。そして①ですが、まず、顧客データ価値がより多く積み上がっている場合をDX化がより進んだ状態と位置付けます。なお、競争力を増すための付加価値を何に求めるかはポイントになります。DX化の場合は、それは確かにデータ解析・AI技術としてのソフトウェアです。ハードウェア機器側、ソリューションサービス側双方の競争力を高める要です。

 こうして整理してみると、冒頭で書いたCVCとM&Aの一般的な意識も少し違った見方も出来てきます。結局、M&A並みの意識で臨んでこそ、CVC投資先とも、将来に向けてより深い、発展的な関係につながりうる。つまり、①と②はM&AのみならずCVCの場合にも当てはまる。いずれにしても、自社の事業展開モデルと技術的、事業コンセプト的に真に相性がいい外部の有望企業をパートナー候補先として、日ごろから広く探索していくことは、オープンなイノベーション展開の要です。DX化インデクスは、これら①、②の視点での相手先割り出し作業を担い、製品サービス展開のDX化を促す取り組みプログラムであるDXドライバー全体を支えます。

(注) 念のため、ここ一連のM&Aは、勿論イノベーション展開を促すための投資領域を指します。相手企業の事業を継承する、

ないしはいわゆる敵対的買収などとは峻別すべき領域です。

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