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IDインデクス  -プロダクツのDX化展開具合及び達成度指標-  2020.10.5  氏家 豊  

                                     

 より実践的・実用的な進捗度確認、実行のための枠組み作り用ツールとして、製品・サービス(以下、プロダクツ) 展開DX化における顧客価値の形成・積み上がり具合、その意味でのDX化達成度を示す指標(インディケーター:KPI)群を独自に整理しました。世界の産業機器・システム系、IT分野を含む医療機器システム・サービス、ITシステム・プラットフォーマー系の各リーディング企業、中堅・新興企業の製品サービス展開事例を集計・精緻化して浮かび上がってきたものです。

 ここでも、DX化について、次のような位置付けが根底にあります。「プロダクツの顧客価値を、そのデータ価値連鎖(DVC)に即して精緻化し積み上げていくことで、競争力を高めていくこと」。データ価値連鎖フェーズで言えば、機器・システム(Ⅰ)から生まれるデータをITインフラ(Ⅱ)につなぐまでは、従来からあるデジタル化であって、今回のDX (デジタル・トランスフォーメーション)化というトレンドは、そこにさらにデータ解析・AI処理等によるインテリジェント化(Ⅲ)を施して、これら全体で、最終顧客、社会の切実なニーズ(Ⅳ)に迫る、そこまでつなぐ、というのが元々の主旨です。 

 その意味で本インデクスは、社内組織改革的側面よりは、より直接的な対外競争力形成を目指して、プロダクツのDX展開向けに焦点を当てています。自社そして外部企業双方のプロダクツ・事業展開のDX化達成度を可視化する指標群です。上記の同連鎖の基本4フェーズ(ⅠからⅣ)、そして特にそれらフェーズ相互の連結領域にも注目して、実際のプロダクツ展開内容に則して精緻化しました。​

ID(DX化)インデクス

=データ価値連鎖でみた製品サービスの顧客価値積み上がり型及びその度合い、その意味でのDX化達成度を示す指標

IDインデクスの効能

​ この3年ほど、お客様企業向け含めて使ってきた実感として、このインデクスの「効能」を4つ書きます。

   ① 自社プロダクツをさらにDX化させるための開発モデル把握

 ② 事業連携する際の相互の事業モデル、データ価値連鎖上のポジション把握

 ③ 特定プロダクツの DX化度合いとしての競争力査定、可視化

   ④ 開発パートナー企業のDX視点での精緻な割り出し、探索絞り込み

  

   このうち、①は特にデータ価値連鎖のフェーズを跨ぐ展開を検討する場合有効です。繰り返しになりますが、単体機器を起点にネットにつなぐ、その受け皿インフラとしてのIT基盤、そのエッジ展開、周到なデータ処理、勿論データ解析やAI処理まで入れる、そしてソリューション、それも機器や建造物への組み込み型やサービス、そしてこれらのある意味モジュール技術・展開を束ね、展開力を飛躍させるためのプラットフォーム化などです。これらを重層的に、そしてまた相互で組み合わせての展開です。なお、最近のデータ処理・解析領域でのAIの急速な発展の結果、データ処理・解析の中身、質、次元が違うものが混在してきて、同じソリューションという言葉でも、中身は一層精緻な確認を要します。

 

 合わせて強調したいのが②です。他でもありません、実際にDX化領域に外部企業との連携で乗り出す場合を考えます。その際、相手先の要素技術内容やキーワード分野(業種ではなく)に加えて重要なのが、事前の自社との展開モデル・ポジション査定、シナジー形成シナリオです。実際会って話し込むのが常套ですが、最近のビジネス環境事情も含めて、中々スムーズには行かない。何より、そういう「関係」作りに手間・時間もかかり、特に、選択肢を増やしたい検討初期・企画段階で、何か前裁き的なツールがあれば有難い。そんな折、当インデクスを使うと、結構機械的に、自社側展開モデルと競合か補完か、はたまた無関係かが裁け、さらに比較検証すべき先行事例なども確度よく炙り出せます。

 ③はさらに難易度が上がります。一般的には、定性判断的要素が大きくなるという意味でです。現状、本インデクスは「競争力査定の数値化」として、一つの可視化、つまり漠然とした概念を系統化し網羅化させる手法として、確かに使えると実感しています。そして、実展開企業ごとの業績データとの突き合わせから、個々のプロダクツについて数値化しながらその競争力を推し量る目安にする。最近のデジタル技術開発トレンドやビジネス取引感覚知見も加味させながら、特定プロダクツ間の競争力査定をする作業は、これ結構面白い、飽きない時間です!

 ④ 特に、今後に向けた開発余地、そのための事業連携パートナー企業の探索・選定において、例えば医療領域で考えましょう。典型的には「がん治療」といった世の中的に不可欠な重要取り組みテーマがある一方で、それに加えて、そしてまた別途、自社の事業領域・ポジション的(「中期計画」に謳っているなど)にみて、優先度が高い技術・事業テーマ領域は当然あります。その後者に傾斜した探索・絞り込みをするためのインデクス調整をすることが出来ます。

 以下は、そのIDインデクスの中核をなすモデル例です。各々簡潔化して書いています。ロジカルに割り出せて、実例も確認できたデータ価値連鎖(DVC)パターン群です。展開実例に出会った、パターン可能性を触発されるというのが実態に近いです。AIさらに5Gほかの急進展で、パターン数がかなりになっています。以下、主なDX化のご提案作業アプローチも書き添えます。

代表的な汎用モデル例 

 ここでは、電子機器システム、IT領域を念頭にした言葉で表記します。ここでの「機器」は、技術的にネット化が可能なもの

一般、  建物・構造物等にも置き換え可能です。

   〇単体機器に応用データ解析・AIソフトウェアを施したスマート機器

 〇データ解析・AI処理してソリューション提供まで行うソリューション機器システム

   〇各種業務での監視・制御・最適化・自動化などソリューション提供

 〇データ解析・AI処理、ソリューション提供向けIoTプラットフォーム基盤など

2つの主要アプローチ

    

プロダクツのDX化

 各々別個で、または一気通貫に展開できます。

なお、3項目目の「業態シフト」向けの検討は必要に応じて、5項目目は別段階の作業となります。

  1. 保有プロダクツのDX化対象特定、テーマ設定                                    自社、競合系・周辺企業の展開、業界トレンド等から割り出し

  2. DX型プロダクツのコンセプト検討、モデル整理                                   同じく好業績展開モデルにみるDVC型事例精査より

  3. 新陳代謝・業態シフトのDX的展開策検討                                           成熟化領域からの製品・事業シフトを、DX視点も入れてより精緻に検討

  4. 潜在的なDX化パートナー企業洗い出し                                       展開モデル検討材料として、さらに実連携開発やM&A候補先として

  5. 実開発

  • DX化パートナー先との連携開発                                          DVCの特定フェーズの補填・補強、全く新しいDVC型企業の取り込み開発

  • DX的プラットフォーム基盤、クラウド開発                                     大手プラットフォーマーとの連携、または独自展開向けの基盤作り

CVC/M&A含むパートナー形成先の探索

​ 背景にある考え方、アプローチ骨格は、上記と同じです。

実作業的には、この戦略投資・パートナー形成向けでは、比較的1,2,3の段階を踏まえて、4フェーズを、その後交渉段階も含めて作業する形です。なお、本サイト「CVC/M&Aほかパートナー企業探索」も参照ください。

​ 

(注)本稿では、「DX化」を概念説明として使い、「DX化インデクス」も、概念呼称という位置付けでしたが、これを今後、

  「IDインデクス」としてご案内します。「ID」は「Innovation Drivers」を指します。(2022.5.17追記)                                                                                                                                                                                                                                                 お問い合わせ

 
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