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ブログ:Update イノベーション・ドライバーズ   

事業発想を広げ、飛躍させる   2022.7.13                                                                                                                         

 前回ブログ冒頭で「事業発想を如何に広げるかが要」と書きました。その点を少し深堀します。まず、事業領域の再確認をします。

対象の事業領域 

   ここまで、DX化の対象として想定してきた主な事業展開シーンは、相互に関連も深い以下項目(a)から(e)のとおりです。これらの項目は、SBF業務で関わってきた、そして独自の別途事例収集・分析をやって来ている領域です。基本的に、顧客や市場に提供する対象が、技術的にデジタル化が可能なモノ自体及び関連するIT機器・インフラ、これらを使ったサービスや労役・便益提供領域です。

 

   (a)部材、機器システムなどのハードウェア(モノ)一般の提供(ITとつなげることが技術的には可能な範囲)

   (b)半導体、通信インフラやコンピュータ機器・システム等のIT領域の機器インフラ提供

         (c)産業・商用施設、住宅などの建築・建設、その集合体としてのスマートシティー領域

   (d)各種ハードウェアやIT系システム、ソフトウェア等の設計・開発、およびITサービス等の提供全般   

         (e)機器システム、ITを駆使した各種専門サービス、労役、便宜提供 (医療や金融、小売り・物流、IT型農業ほか)など

 

 そして、これらの中で、特に(a)(b)(c)は「顧客・市場に提供する製品」がはっきりしていて、その一部サービス化の流れも踏まえた「顧客向けの製品サービスDX化」が差別化・競争力形成の主眼とあり、「社内での業務遂行の効率化、生産性向上DX」と分けて整理しやすい世界です。ハードウェアとITの融合を図ることが技術的に可能な典型領域でもあります。さらに(d)(e)は、IT技術そのもの、そしてそれがより浸透し、むしろ表には出ない場合も含めて、顧客市場への提供内容が、サービス(労役、便益提供)になっている領域です。そこでは、確かに「顧客向け」の業務遂行の効率化、生産性向上DXは競争力形成の中核になってきます。

 このように整理すると、本稿で整理してきたDX化の分岐点は、「製品サービスDX化」と業務遂行の効率化、生産性向上DX」ではなく、「顧客志向のDX」か「社内向けのDX」かであることが分かります。つまり、デジタル切り口での顧客価値形成・積み上げ(DX化)においても、やはり顧客志向が要であるということです。より直接、最終顧客による活用シーンを想定したプロダクツ。「ソリューション」提供にいう実に重たい キーワードにも行き着きます。

事業発想を広げ、飛躍させる

​ 以下において、上記(a)から(e)領域を念頭に、如何にして事業発想を広げ、飛躍させるかについて考えます。それはつまり、自社にとってのフロンティア領域展開を検討することです。そこで、実務上でのまずもっての必要条件が、取り組みテーマに関する社内でのコンセンサス形成、そして十分条件、いや絶対条件が市場・社会への説得性です。​ただ、この両者の並立が中々難しい、というのがここでの論点です。簡単に整理します。

 「不連続なイノベーション」という言葉がよく言われます。近いイメージで「飛び地」とも言われます。製品・事業企画部門、そして典型的にはCVC(Corporate VC)で、話題性、トレンド性の追及といった、一種ブランディング目的も含めて先端領域に幅、柔軟性、機動性をもって将来に向けた可能性を社内に取り込む形です。

   では、一部重なりますが、よりコア事業領域の新陳代謝や次代を担う事業の柱作りに対してはどうか。売り上げの中核をなす顧客・市場への納得性という意味で、より「連続性」とか「らしさ」を意識すべき領域です。象徴的には、戦略的事業投資モデルで言えば、1件当たりの金額も格段に大きくなり、何より相手を丸ごと取り込むM&Aに対応します。どの程度、取り込んだ対象を直接表(おもて)に出すかはさておき、一般的にはですが、現業コア事業との連続性、シナジー性、事業展開への直接的で即効性が期待されます。

ここでは、本気の「不連続」領域展開は向かない。

 両立できればベストです。何か、社内でのコンセンサスを維持しながら、持続的に思い切った事業発想、飛躍も遂げていく方策はないか。ひとまず3つほど展開モデルが浮かびます。一つは、特に相手顧客が法人系の場合ですが、現在の顧客をトータルで眺めること。真の意味で顧客目線に立つこと。つまり、相手のより広い事業・展開ニーズ領域にも目くばせして提案する。さらに先読みレベル・領域まで想定していけば、実質的にコンサルティング的な側面が濃くなります。「顧客企業によるソリューション展開力を高めてやる」という言葉につながる部分で、ソフトウェア形態を取ったソリューション提供というのが典型的です。​

​ もう一つは、世間目線で考えること。自社事業定義を勝手に拡大解釈することです。ここでは一応「市場・社会目線」としましょう。「さすが○○社だ」と世間から評価してもらえるような事業発想、展開テーマを引き付けることです。その会社らしい領域への発想拡張、事業展開拡充。例えば、プリンターメーカーや印刷会社によるドキュメント管理ソリューションの提供、各種産業インフラ向け資材提供企業によるプラント遠隔監視システム、ソリューションの提供などです。この場合は、同じく本業より大きく離れていて「連続性」という誹りは勿論受けず、むしろ「ストーリー性」「ミッション性」という言葉に適ってきます。

 

 そしてもっと、一見、全く違った領域に見える領域への展開向けはどうでしょう。一つ、デジタル、IT基盤がもつ拡張性に乗っかって、時代のトレンド、うねりを取り込み、先取りする?! 一番ワクワクしてきそうな領域ですが、紙面の関係?で、またいずれ。

 兎も角、これらの策、アプローチの各論を組み立て実行に移すとなると、社内リソースのみでは限界がありそうです。忙し過ぎるという意味で。そこにこそ、ある程度の仮説を持った上で、全く違った状況でモノを考え仕事をしている外部の人間、チームと、出来るだけたくさんやり合うのは確かに有効そうです。

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