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ブログ:Update イノベーション・ドライバーズ  

オープン展開パートナー企業探索 2021.11.26                               

 

 世界の好業績リーディング企業のM&A投資にみる特色は、以下の4つです。いずれも基本的なことであり、確実に実行しています。

1. 現状の製品サービス(プロダクツ)展開を補強し、DX的展開をしっかり促す相手先への投資が確かに主体になっている。

2. 投資した企業の技術・プロダクツは、しっかり実際の事業展開に反映させている。

3. 大型企業の丸抱え的な買収は控え、自社展開のイノベーションをけん引してくれそうな新興企業を丁寧に買っている。

4. ある程度の顧客・市場を持つ伸び盛り企業を取り込むことで、先進・有望領域での新たな事業の柱作りを図る投資も目立つ。 

 

 その点、一件当たり投資金額も小さくなるCVC(Corpotrate VC: 自己資金による外部企業投資ファンド)であれば、もう少し試し投資的な内容も散見されますが、このM&Aによる本流投資領域では、自社事業展開とのシナリオ性、シナジー性を重視しています。「どういう関係で」と思えるような投資事案にほとんど出会いません。以下の2つの視点で、しっかり自社事業の今を起点にしたストーリー性・説得性をもって企業投資し、持続的に好業績(明示的な総収益・売上ベース)を遂げている企業群の投資姿勢・トレンドを述べます。そして、そのような投資を促すためのSBFツール、アプローチについても触れます。

説得性あるプロダクツ展開に向けて                                           

   

   最近の世界の好業績リーディング企業における企業投資では、典型的には「ソリューション」や「プラットフォーム」展開モデルを実現してくれる企業群への投資が確かに目につきます。好業績企業ほどそのようなプロダクツ属性狙い撃ち的な投資傾向を強め、それがさらに説得性あるプロダクツ展開を促してその後の好業績につながる。そんな好循環が見て取れます。IoT、AIがそこでの説得性を技術、コンセプト両面で支えているのは言うまでもありません。 

 「ソリューション」で言えば、通常のサービス提供モデルとしてのみならず、ハードウェア機器内蔵、IT基盤に付加、そしてソフトウェア型も出てきています。投資対象として考えた場合、それらを的確により分ける作業は欠かせません。”ソリューション”を誤用、ないしそもそも曖昧に使っている場合もあります。

 そのような選り分け作業は、自社プロダクツや事業との親和性の確認につながる重要な視点です。そのためには、事前に、自社側と相手側との顧客価値視点での立ち位置の確認が不可欠です。通常はこの作業はお互いの“すり合わせ”作用でこなす訳ですが、国内企業同士でも熟練を要する、時間もかかる過程です。ましてや、相手が海外となると相当難易度が上がります。何より、バイサイド側に事前の仮設・想定、期待値形成作業が不可欠です。候補企業ごとのそのような事前作業が迅速にできれば、無駄な初期的会合も減らせ、ひいては有力な候補先選択肢を増やすことにつながります。

 SBFのID(DX化)インデクスは、データ価値連鎖視点での狙ったプロダクツ属性を秘めた企業の割出し、同様に、自社のプロダクツ・事業モデルの立ち位置、従って、相手企業とのシナジー形成モデルを事前確認する作業に使えます。

持続的な好業績・高成長体質つくりに向けて

 

   企業経営にとって、持続的な好業績をもたらすプロダクツライン形成が出来ればそんなに有難いことはありません。出来れば自社向け、少なくとも自業種向けの手がかりを掴めないか。世界の好業績、中でもリーディング産業系、医療・ライフサイエンス系、ITシステム系、そしてGAFA系企業群にも、濃淡はありますが、相通じる、DX化、顧客価値連鎖視点での投資先パターンを見て取れます。逆に、その傾向に全く反する企業群は明らかに業績が悪いし、その中間は業績も中間です。

 さらに、持続的な好業績・高成長をもたらすプロダクツライン形成というテーマに関して、固まりとしてのプロダクツ群構成は、事業戦略、経営者目線では、より気にすべき視点です。その際ベンチマークにしたいのは、例のアンゾフ4象限的な事業プロダクツマッピング(注)です。結論から言えば、顧客価値連鎖型がDX的な個々プロダクツをいくら揃えても、その中核部分で成熟化が進んだものの比率が大き過ぎると、業績は大勢横ばい圏から中々出られないという傾向が内外企業を通してあります。

 つまり目指すべきは、「成熟プロダクツではない領域でのさらに先進的・先取的な展開」ということになります。兎も角、このもっともな結論、到達すべきテーマから目を離さないで、かつ、常に各論で追求することが要です。そのような展開に導いてくれそうな対象企業を体系的に網掛け収集し、自社に引き付けて絞り込んでいく作業が求められます。SBFでそこをサポートするのが、DXドライバーズの第四項目「事業ポジションのDX視点での見直し作業」です。

 ところで、一見、同じように戦略投資と見えても、CVCとM&Aとでは本質的に違います。CVC投資の目的は、自社の競争力形成のために外部の親和性いい企業、さらに新陳代謝を促してくれそうな企業との関係を築くことです。1社への投資金額を抑える分、自社にとってのフロンティア領域への先駆け的、試行的な投資も出来ましょう。ただ、特に米国などの場合、後から一挙の買収が入って、それまで一部投資していた資金が無駄になるリスクがあります。その点、金額も張るM&Aではより直接的に業績につながる投資が主体です。冒頭でも述べたとおりです。なお、ここで言っている「持続的な好業績・高成長体質つくり」につながる企業投資は、すべてM&A事例の分析を踏まえています。

(注)アンゾフ4象限マッピング: 技術・プロダクツと顧客市場を各々新規・既存に分けて4象限で分析する

 

                                                                                                                                                                                                                                      お問い合わせ

                                                                                                                                                                         

 
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